ホームバイリンガルの英語絵本音読メソッドは
まず「音を聴くこと」=「インプット」から入ります。
文法などの細かいルールよりも、
まず先に英語の音に慣れることから始めます。
【なぜ音から?】
赤ちゃんが言葉を覚える時、
最初の1,2年はひたすら大人の会話を聞き続け、
聞いた言葉がいっぱいになると、
少しずつ似たような音を真似しながら話せるようになっていきます。
きちんと聞こえてこないと真似して声に出ることはなく、
声に出せないと読むことができないのです。
私の経験上からも言語の学びは、
まずたくさん聞くことから始め、
その次に話す、読む、最後に書くの順番がベストだと思っています。
【聞き流しだけで十分?】
最近では「英語耳をつくる」ことが大事だというのは
たくさんの人がご存じだと思いますが、
聞き流しだけでいいか質問されることも少なくありません。
「聞く」ことが重要なのは間違いありませんが、
これは年齢によっても英語歴によっても
意識することが違っています。
毎日英語を耳にすることである程度の
「聞き取る力」は身に付きますが、段階を踏んで少しずつ
ステップアップしていかない限り、
聞き流しだけで英語ができるようになるのは難しくなります。
【どのように聞く?】
0歳から3歳(あくまでも目安です)
この時期は、英語環境を整えることを意識します。
英語の歌や英語絵本の朗読、リズムのいい歌や
手遊び曲などお家でたくさん聞き流しをします。
子どもにマネをするように促したり強制したりする必要はなく、
子どもが一緒に口ずさんだら読めてあげて
親も楽しむくらいがちょうどいいです。
この時期は、子どもがまだあまりはっきり言葉を話さない分、
聞いた音をたくさん記憶していきます。
普通の生活をしていると日常は日本語に溢れているので、
BGMはいつも英語の音にすると決めておくのもおすすめです。
4歳から6歳(あくまでも目安です)
0歳から英語環境ができていれば、
抵抗なく次のステップにすすむことができますが、
4歳から初めて英語をスタートする場合、
全く興味を示さないことがあるかもしれません。
本来子どもは新しことや珍しいことが大好きですが、
全員がそうとはかぎりません。
私のお教室ではこの時期から英語を始める
生徒さんも多かったので、どのように「聞く力」を
育てていたかお伝えします。
まずメインの教材、「今月の英語絵本」を決め
みんなで朗読音源を聞きながらページをめくります。
この時はストーリーの内容をあえて日本語に訳すことはせず、
英語の音と絵を楽しみます。静かに集中して聞いている子もいれば、
ページをめくるごとに気づいたことを喋っている子もいます。
単語の発音を真似する子もいれば、
イラストを指さしながら何か想像している子もいます。
その後に朗読を一緒に真似て読んでいきます。
実際に大きな声で真似る子もいれば
2回目もじっとだまって聞いている子もいます。
この時期は決して声に出すことを強制するのではなく、
あくまでも「聞くこと」がメインです。
そして宿題はその「CD」を聞いてくること。
たくさんお家でかけ流ししてきた生徒ほど、
読めるようになるのも早く、音の特徴をとらえるのも上手です。
そして毎週聞いてきたストーリーをページごとに
担当して各自生徒さんたちに読んでもらったり
くじ引きで当たった人がその日絵本の朗読や暗唱するなど、
ゲーム式でアウトプットの場を設けます。
子どもたちは自分が当たった時には上手に読みたい!
という心理がはたらいて、お家でさらに聞いてくるようになります。
―訳す?訳さない?―
英語絵本を教材にしていると、
絵本の内容をきちんと訳したほうがいいかどうか
聞かれる場合もありますが、
この時期の生徒さんたちにはあえて細かく訳さないほうがいいと
感じています。
例えば「I see colors」という絵本がありますが、
この絵本を導入するときに
「Iは私って意味ですよ」「seeは見える、ですね」などと伝えません。
頭の中で常に翻訳機が働くような思考にならないようにします。
はっきり意味がわからないと
何かすっきりしないという親御さんにはお伝えしますが、
この時期に導入する絵本はだいたい
イラストを見ると内容が予想できるので、
子どもたちの想像力を働かせてもらいながら
英語の音を楽しむようにします。
7歳から9歳(あくまでも目安です)
この時期は、少しずつストーリーブックの内容を
難しくしていきます。
1ページに1行だけだった絵本から
2行に増えているものに変更したり、
全部で8ページだった絵本から
16ページのものに変えたりします。
お家で聞いてくる宿題は変わりません。
レッスンで1時間英語をやっただけの
1年間では約45時間しか英語に
触れないことになります。
毎日聞いている生徒さんの耳には
年間300時間以上インプットされることになります。
またこの時期の生徒さんは英語と日本語の言語の違いに
とても敏感になるお子さんもいます。
例えば「I’m home」という「ただいま」を
あらわす言葉が出てきたとき、絵本のイラストを見ると
意味は想像つくのですが、「どうして、私はお家です
と言っているの?」と疑問を持つ子もいます。
そのようなときは必ず英語の文法的な部分や
言語としての特徴などを説明するようにします。
この時期は定期的に音読の様子を録音するようにしています。
録音日があると子どもたちはさらに練習するようになります。
練習するためにはたくさん朗読音源を聞いて
マネする必要があります。
ただ「お家で英語きいてね」だけではモチベーションが
保たれないので、その時々で
「聞いてこないといけない状況をつくる」ことを意識します。
高学年・中学生・大人のやり直し英語
10歳以降になると、これまでどのくらい英語を学んできたかによって、
どのように「聞き流し」をするかかなり個人差が出てきます。
例えば、英検などの試験に向けての聞き流しの場合は、
まず自分が受験する級のリスニングの形になれる必要があります。
第1部でどのような問題か、2部では
どんな問いかけがくるのか、スピードはどのくらいか、などです。
その後、いつも聞き流している問題が
実際自分の思っている内容と合っているのか確認したり、
1日1,2問からでいいので実際に集中して
「聞き取る」時間をとることが必要になります。
聞き流しだけで英検リスニングが上達することはないので
しっかり段階を踏むことが大切です。