英語教育

お家先生は必要?!

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20年以上たくさんの生徒さんたちを見てきて

思うことの一つに、

「お家先生」の存在があります。

 

英語を伸び伸び学んでいる生徒さんや

楽しみながら英語を得意に

していく子どもたちには

ある共通点があります。

 

 

お家先生とは

最近は「マスク警官」という言葉をよく聞きますが、

 

「お家先生」とはお家で、つい先生のように

なってしまう人。

 

親だったり祖父母、お兄ちゃん、お姉ちゃんたちが多いです。

お家先生のデメリット

 

お家で教えてくれる人が多いと一見

メリットだらけに感じますが、

これが実は逆なんです。

 

なぜかと言うと

 

・子どもが自分で考える前に情報が入ってくる

 

・師事する先生を信頼しなくなる

 

からです。

 

情報過多

 

私のお教室の例でいうと、

子どもは耳がいいのでリスニングで

聞いた通りの音を口に出すという宿題を

出すことがあります。

 

でも「お家先生」は子どもがCDの音源を聞く前に

単語の発音を教えてしまう傾向があり、

それが正しい発音ならいいのですが、

カタカナ英語だったりすると

矯正するのに時間がかかるんです。

 

本当にCDを聞いてきた音なのか、

「お家先生」から聞いてきた発音か

宿題を出してみるとすぐにわかるのですが、

お子さんが小さい場合は、直接

その子に聞かせて考えさせて、

どんなふうに聞こえるか、それを見守って

あげるのが、「いいお家先生」の例です。

 

ある時、こんな生徒さんもいました。

アルファベットの音を完璧に覚えた後、

なぜか「Z」を「ぜっとぉ~」と読み始めたり、

「G」を「じ~」と発音し始めたんです。

 

最近の様子を聞くと、英語を習い始めたとおじいちゃんに

教えたら、たくさん教えてくれたとのこと。

英語の話題がきっかけでコミュニケーションするのは

すごくうれしいことですが、「先生」になってしまうと

ちょっと困ることが多くなります。

本当の発音はどっちなのか、周りの色んな意見や

助言、教えを聞きすぎて子どもが混乱することもあります。

それからこんな例もあります。

英語を始めてすごいはやさで

動物カードとフルーツカードを

全部覚えた生徒さんがいたので、

「OOちゃんにお家でも聞いてみてください」

とお家の方に一言お伝えしたんです。

そしたら、習った動物とフルーツではなく

「きゅうりなんていうか知ってる?」

とか

「人参くらいは習ったんじゃないの?」

と全く違うものを聞き始めたんです。

すると子どもは答えられなくて恥ずかしそうにしているし、

野菜を先に全部覚えたほうがよかったのかなぁと

気持ちも下がってしまいます。

 

本当にできる「お家先生」は自分ができることを

子どもに伝えず、あくまでも受け身で子どもが習って

きたことを「聞く」ことに徹します。

 

多少間違えていても、上手に「先生からもう一回聞いたら

また教えてね!」と言って極力指示や訂正をしません。

 

先生を信頼しなくなる

 

このような生徒さんの例もあります。

 

小学生の英検クラスを行っていた時に、

できるだけ中学生とは違う導入の仕方や作文の

書き方から入り点数につながる方法を

順序立てて行うのですが、グループの中に

一人中学に上がったばかりの

お兄ちゃんがいる生徒さんがいました。

 

レッスンが終わるごとに、

「これまだ教えてもらっていないの?」

とか

「この単語使えばいいんじゃない?」

などお兄ちゃんに言われる。。と毎回ご報告があるんです。

そう「お兄ちゃん先生」が存在していました(笑)

 

とても良くできる生徒さんでしたが、優秀すぎるご家族の

3人から「熱い英検アドバイス」をいただきすぎて、

英検1週間前はパンク状態になってしまいました。

「お家先生」が3人もいては大変なことになってしまいます。

 

最初の英検だから合格させてあげたい!という気持ちが

強かったのだと思いますが、試験当日は神経質なほど

緊張していて時々集中力も飛んでしまい、思う存分

結果がでませんでした。

そして最後には、先生の教え方が違ったのではないかと

 

 

 

他には

「ママが英語習っているのにローマ字も習ってないの?!」

って言っている。。と落ち込んできた生徒さんもいました。

ローマ字は下手すると混乱要素になるので、

タイミングを見てから軽くふれるくらいにしていましたが、

「お母さん先生」の登場で、せっかく順調に覚えてきた

フォニックスまでがローマ字混ざってしまい

混乱した時期がありました。

 

 

いいお家先生の例

では「いいお家先生」はどういうことをしているのか。

 

復習をさせるような質問をしている

たとえば、「今日読めるようになった絵本読んで聞かせて!」

「このページはどんなことに気をつけて読めばいい?」など

さりげなく音読をさせていくんです。

やってはいけないのは、

「その発音本当にあってるの?」「これはOO読むんだよ」と

教えてしまうこと。

 

子どもが忘れていたら、お家先生たちも

分からないふりをして「じゃあCD聞いてみよう」といって

どんなふうに聞こえるか一緒に聞いてみると

それ自体がいい復習になるんです。

発音に関してはとにかく年齢の一番若い子がいい耳を

もっているので、

どんなふうに聞こえるか「聞いてみる」のが

一番いいんです。英語を単語単位で発音するように

なったりひらがなルビを振るようになると

だいたい「お家先生」がいるので私の中では

注意するようにしています(笑)

 

教え方の上手な「お家先生」は

自分がやっている姿で教えるようにしています。

私の生徒さんでも、そのお手本に

したい子(&お母さま)がたくさんいます。

90%以上はそのような生徒さん&「いいお家先生」です。

 

ご両親、お姉ちゃんの「いい影響」で

伸び伸びと学んでいる子は、あきらかに

その姿をみせています。

 

例えば、

「お姉ちゃんが英語勉強するときはいつも声に出していた」

「毎日8時になるとお兄ちゃんが単語勉強始めてた」

「小さいころは母がいつも英語をかけ流ししてくれて

英語環境を作ってくれた」

などです。

 

年齢によっては、「お家先生」たちが

学習のポイントを教えることもありますが、

決して上から指示するようなことがなく、

ほどよい圧とほめ言葉でストレスもなく

楽しみながらしっかり成果を出せるように

上手にサポートしています。

 

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