私は、20年以上子どもにかかわる
仕事を続けています。
時々、
「子ども対象だと準備が大変でしょ」
「体力使わない?」
「大人対象のほうがやりやすいよ」
など言われたことも
ありましたが、
私はずっと「子ども専門家」として
活動しています。
それは、ただ子どもが大好きという
理由だけではなく、
子どもの感性や言動に
とても惹かれるからなのだと思っています。
年齢を重ねるごとに
頭でわかっていても
忘れてしまう大切なことがたくさんあります。
それを小さな子どもたちに
気づかされる瞬間が多々あるのです。
最近のできごとの例でいうと、
ここ数年あまり自分ではチョイスしなくなった
ビュッフェ式の食事。
初めてアメリカのホストファミリーに
連れて行ってもらった時は、
こんなにたくさんの種類の
料理を好きな量食べられるなんて!と
わくわくしたのを
今でもはっきり覚えています。
日本に戻ってからも
ビュッフェ式の食事を
楽しんだことがありました。
ただ、年齢を重ねるごとに
食べられる量も減り、
それに加えて
「もしかしたらコスパが悪いのでは」
とまで考えてしまい
次第に足が遠のいていました。
ホテルの朝食ビュッフェも
頼んでおいて食欲がなかったら。。。。
と想像しただけで、
やめてしまう。
先日、娘と宿泊するホテルを
朝食付きにしてみました。
クーポン券をいただいたので、
使ってみようという
理由でした。
その日は
多くの家族連れでにぎわっていて、
私たちの斜め前にも
お母さんと男の子が座っていました。
その男の子が
「ママ、もっと持ってきていい?」
と聞いていて、
最初にもってきた空になったお皿を
誇らしげに見せていました。
心配そうに
「ほんとうに食べれるの?」
「大丈夫?」
と聞いても
「うん!」と言って
嬉しそうに立ち上がり、
今度はてんこ盛りの
デザートを持ってきていました。
母親に
「おいしい?」
と聞かれた男の子は
「うん!すごく楽しい!」
と満面の笑みで答えていました。
その言葉にハッとし、
「食の楽しさ」を思い出しました。
最近の私は、
身体にいいもの、
健康的なもの、
コスパがいいか、
など
無意識のうちに
楽しむことを忘れていないかと、
あらためて考えてみました。
もちろん、それも
悪いことではないのですが、
子どもの言動から
忘れていたことを
思い出してもらえることや
気づかされることが
本当に多いのです。
人は生きていくために
「食べる」ことをします。
満足するため
味や素材を求めることもしますが、
そこに
心が満たされる楽しさが
あるって
本当に豊かなことなんですよね。
豊かさとは
選択肢があること。
仕事も食事も人生も
さまざまなものに
恵まれていないと、
自分で選ぶことができないですから。
物事を選択できる
自分で決められることに
感謝しつつ、
今後は、
「食」=「健康のため」
だけではなく
「食」=「楽しむこと」
を思い出して
次は
スイーツビュッフェにでも
行ってみようかな、と
思いました。
かわいくてキラキラした
ケーキやパフェからは
想像以上のインスピレーションを
もらえるかもしれません。
子どもの一言から
気づかされた、
選べる豊かさに感謝しながら。