言語を学ぶのに重要なことの一つは、
不安感がないこと
といわれています。
南カリフォルニア大学の言語学者
スティーブン・クラッシェン名誉教授による
研究結果のようですが、
確かに赤ちゃんが母語を覚えるのに、
間違い恐れていませんし、
不安も感じていません。
何度も間違えながら、でも自然に正しい母国語を
自然に話せるようになります。
その真逆として
日本で10歳を過ぎた子どもたちや
中学から英語を始めた子どもたちは、
「正しい英文法とは」
という学習から入るので、
間違いが心配で、英語がすぐ口から
出てきません。
不安を取り除こうと思っても
お年頃的にもなかなか厳しい場合があります。
では、10歳以上の子どもたちが英語に対して
不安をなくすにはどうしたらいいか。
それは自信をつけていくことです。
少しの「できた」を積み重ねることで
自分に自信がつくとそこから習得が加速します。
私の生徒さんのケースを一つご紹介します。
Kちゃんのケース
11歳で入会したKちゃん。
誘ってくれたお友達はすでに2年前から
英語を始めていたので、とにかく彼女は自信がない。
みんなより遅れをとっている不安で仕方ない様子でしたが、
とにかく一つ一つ自信をつけてもらおうと、
課題を出しました。
他の生徒さんより少しだけ覚えてくる単語を増やし、
家で聴いてくるCD、何をどのくらいやったらいいか
細かく伝えました。
こういう場合、
やってくること、そうではない子に分かれますが、
Kちゃんはいつも完璧に課題をこなしていました。
その結果数か月で
グループでのカルタ取りはいつも1位(お家で単語を暗記してきていたから)
そこから少し自信がついて、絵本の暗唱も
クラスで一番早くできるようになりました。
色んな事ができるようになると、
自信がつき、
そしてさらに楽しくなり、
みんなに英語を教えるお姉さん的立場に
なっていました。
そして堂々と英語で発言するようになったのです。
みんなは、「もともとKちゃんは頭がいいんだよ」
と言い始めましたが、
私は彼女の努力だと確信しています。
クラスで遅れをとっているのでは、、という
不安から、少しずつ自信をつけ
あっという間にグループで一番。
Kちゃんのいきいきした
姿は今でも忘れられません。
Tさんのケース
大人のレッスンで入ってくれたTさんは、
中学で英語が苦手だったトラウマで
とにかく自信がない生徒さんでした。
まず最初に彼が一番使いそうな
英単語、英語のフレーズの
発音をネイティブ並みにできるよう
指導しました。
とにかく単語とフレーズのみです。
そして、本人も「この単語なら自信がある!」と
実感してもらってから、
その単語を使った英会話文をつくり、
繰り返し何度も受け答え練習をしました。
最初はひたすら読んでいるような感じでしたが、
後半は感情を込めてネイティブに通じるキレイは
発音で短い会話ができるようになりました。
本当に短いやり取りですが、
そこがクリアになると、また
違う表現ややり取りを覚えたくなるので、
そこから自らも学ぶようになり、
出された課題以外でも自分で英語環境を
作ったり、直接海外の人に自分から
話しかけるようになりました。
最初はほんの少しの自信です。
それを積み重ねていきましょう。
きっと楽しくなって、習得のスピードが
グンとあがります!